婦人科外来のご案内
子宮がんと子宮頚がんの違い
子宮頚がんは、子宮がんの一種です。
子宮がんは、「がん」が発生する場所によって2種類あります。
子宮の入り口にできる子宮頚がんと、子宮の奥にできる子宮体がんです。
この2種類は、発症する年齢も原因も違います。
子宮頚がんが20代後半から多くなり若い世代でも発症するのに対して、子宮体がんは40代以降で発症が増えるといわれています。
そして、子宮頚がんがヒトパピローマウイルス（HPV）の感染を主な原因とするのに対し、子宮体がんの主な原因はエストロゲン（女性ホルモン）による長期的な刺激です。
一般的に子宮がん検診は子宮頚がん検診を指すことが多いです。
子宮頚がんの原因
子宮頚がんの主な原因は、ヒトパピローマウイルス（HPV）感染です。
HPVは性的接触を通じて感染し、特にハイリスク型のHPV（HPV16型と18型など）が子宮頚がんの発生に強く関連しています。多くの場合、HPVは自然に消失しますが、一部の感染は持続し、がんの発生リスクを高めます。
子宮頚がんの症状
子宮頚がんは、初期段階ではほとんど症状がありません。
定期的な検診を受けることでがんを早期に発見することができ、治療が成功しやすくなります。
子宮頚がん検診の方法
視診・内診
視診では、クスコ（腟鏡）と呼ばれる器具を入れて、子宮頚部やおりものを観察します。
内診は、指を腟の中に入れ、お腹を押して子宮や卵巣の大きさやかたさを確認します。
細胞診
細胞診では、医師が子宮頚部から専用のヘラやブラシなどで細胞をこすり取ります。
多少出血することもあるのでナプキン持参をおすすめします。
個人差があり、器具を入れるときに違和感を感じる人もいますが、緊張せずにリラックスして受けましょう。
HPVワクチンと子宮頚がん
子宮頚がん検診での早期発見とともに、HPVワクチンによって特にハイリスクとされているいくつか種類のHPV感染を予防でき、子宮頚がんの多くを予防します。
HPVは性交渉ですでに感染するとされており、ワクチンは初めての性交渉前に接種することが望ましいと考えられています。
日本では小学校6年～高校1年相当の女性が定期予防接種の対象です。しかしワクチンで完全に感染を防げるわけではありません。
また、HPVワクチンではすでに感染したHPVを排除することはできません。
20歳になり、性交渉が一度でもあれば定期的に子宮頚がん検診を受けることが大事です。
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子宮がん検診の現状
厚生労働省の報告では、日本の子宮頚がん検診の受診率は他国と比較して極めて低く、諸外国では50～85%の受診率を維持しているのに対し、日本では40%前後にとどまっています。
検診受診率を向上させるための啓発活動が続けられていますが、依然として低い状態が続いています。
定期的な子宮頚がん検診を行い、ご自身の身体を守りましょう。
